まずは、プロジェクトの採算管理の重要性について具体的に解説します。

通常、プロジェクトの開始段階に予算や収益の見積りを行いますが、当初想定していた見積りどおりことが進むとは限りません。プロジェクトの途中で、さまざまなイレギュラーが発生し、必要な資金が増減することも覚悟すべきです。 しかし、会社の経営状況によって許容できる赤字のラインがあるので、そのラインを超えるプロジェクトを進めるべきではありません。採算管理を行わずにいると、許容できる赤字のラインを超えてしまっていることに気付くことができません。その結果、大きな負債を抱えたままプロジェクトを続行してしまうことになり、大変危険です。プロジェクトの採算管理をしっかり行い、早い段階で軌道修正を行いましょう。

事前にプロジェクトの進行方針、目標、費用などについてこと細かに話し合い決定したとしても、実際にプロジェクトをスタートさせると、当初計画したどおりには進んでくれないことが普通です。プロジェクトの途中段階で必ず方向転換を余儀なくされる場面に直面し、この方向転換がプロジェクトの成功に大きく関わります。 プロジェクトの目標は、基本的に成果物を完成させることです。そのため、多くの場合、成果物を完成させるためにはどうするべきなのかということを第1にプロジェクトの方向転換を行います。 しかし、成果物の完成のみに着目したプロジェクトの方向転換では、結果的にプロジェクトが失敗に終わる危険性があります。なぜなら、プロジェクトを行ううえで、採算がとれるのかどうかもとても重要な要因であり、採算をおざなりにした方向転換では、赤字を抱えることになりかねないからです。 プロジェクトの進行段階で採算管理をきっちり行えば、採算を度外視にした無謀な方向転換かどうか見極めることができます。ゆえに、プロジェクトの適切な方向転換が行えるようになり、プロジェクトの成功確率がぐっと高まります。

以下では、採算管理を行わずいると生じる2つのリスクをご紹介します。

プロジェクトの採算管理を行わずにいると、プロジェクト途中での資金の流れを把握することができません。そのため、現段階でどのくらいの採算が見込めるのか、どのくらいの赤字を抱えているのかを知らずに、プロジェクトを行うことになってしまいます。 そのため、計画通りにプロジェクトを遂行し、当初の目標を達成したと思っていたが、蓋を開けてみると大きな赤字が出ており、プロジェクトが失敗に終わるという事態が起こりえます。 しっかり採算管理を行っていれば、どの程度の収益が見込めるのか、赤字はどの程度なのかを具体的に算出できるため、上述のミスを避けられます。

プロジェクトをスタートさせる前に、プロジェクト完了までの時間、目標、成果物の具体化といったことは話し合いのうえ決定します。このプロジェクトの計画段階で、採算管理をしっかり行わずにいると、不適切な計画を立ててしまい、資金が足りず、プロジェクトは破綻してしまいます。 よい商品、サービスを作りたいのであれば、多額の資金を投下すれば可能です。しかし、会社の資金に限りがあるため、プロジェクトのスタートさせる前に議論をし、指定された予算内に収めるための妥協点を探る必要があります。 このように、プロジェクトの計画は、資金の制限を考慮したうえで立てなければ、成功は難しいでしょう。

採算管理はプロジェクト成功に必要不可欠！

今回は、プロジェクトの採算管理の重要性についてご紹介しました。プロジェクトの第1目標は、成果物を完成させることですが、結果的に黒字にならないプロジェクトは成功とは呼べません。ゆえに、採算管理も成果物の完成と同様、プロジェクトの成功に必要不可欠な要素です。資金管理が不十分であると感じているのであれば、今すぐ改善をし、プロジェクトの成功を目指しましょう。