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採算管理には全社での業績管理が必要不可欠!!

会社にとって採算管理は非常に重要な課題のひとつです。採算管理ができていなければ、どの製品やプロジェクトで利益が出ているのか、どの部門を拡大する必要があるのか、といったプランを立てることはできないでしょう。逆に利益が出ていない分野を改善したり、縮小・撤退したりするかどうかの判断も、採算管理ができていなければ的確に行うことはできないのです。では採算管理をどのように行うべきなのか、どのような注意点があるのかについて見ていきましょう。

採算管理は部門別が基本

まず大前提として、会社の採算管理は部門別に行うというのが基本的な考え方です。多くの企業では製品、プロジェクト、営業所や支店ごとの採算管理を行っています。このような方法でも、ある程度の採算管理はできるでしょう。しかし、ざっくりとした管理はできても、たとえば、営業部門ではどの程度の経費がかかっているのか、製造部門における材料原価はどのくらいなのか、といった細かい状況を把握することはできません。

部門別に採算管理を行うことで業績の動向をつかみ、改善点を見つけ、すぐに行動へと移すことができるようになります。また当然のことですが、どの部門で利益が上がっていて、どの部門で損失が出ているのかを把握できるので、業務の効率化にも役立つでしょう。

部門別に採算管理を行うメリット

部門別に採算管理を行うことには多くのメリットがあります。まず部門別の損益と会社全体の損益を把握するのが容易になります。さらに部門ごとの売上高や限界利益などの指標や達成率も計算しやすくなります。各部門の採算管理を社内で共有することにより、社員の利益意識を高めることも可能です。社員一人ひとりの利益意識が高まるということは、社員の経営者意識が高まることを意味します。

社員全員ではないにしても、社員の中から会計と経営を理解する経営幹部を育てることができるかもしれません。部門別に採算管理を行うことで部門ごとに利益意識が高まり、組織の活性化が期待できるでしょう。結果として社員全員が積極的に現状の改善に取り組むことができ、会社の業績も伸びていく可能性があるのです。

採算管理には会社全体の業績管理が不可欠

部門別に採算管理をすることは非常に重要ですが、それで十分というわけではありません。会社全体での採算管理も重要です。一般的な会社においては、営業部門や製造部門など複数の部門が協働して1つのプロジェクトを進めるケースが多いからです。

プロジェクト全体の予算が決定されると、各部門へ業務や予算の割り当てが行われ、部門ごとに予算に基づいて業務を進めていきます。ここで、前述のとおり、部門ごとに採算管理を行い、損益を把握することは重要です。それだけではなく、最終的には各部門の損益を集計することによって、プロジェクト全体の採算状況を確認しましょう。全体的な採算管理によって、そもそもの予算の割り当ては問題なかったのか、全体の管理状況はどのように改善すべきなのかを把握できるのです。

各部門の状況を把握したうえで全体の採算管理を行うことが重要

たとえば、営業部門は、ある製品を売り込んで利益を上げることが最重要課題です。プロジェクトによって異なりますが、営業部門でかかる経費が交通費程度であれば、黒字は大きくなると予想されます。一方で製造部門において、原材料費が高騰したり、作業の外注化によって経費が増えたりすると、赤字が大きくなることもあるでしょう。

このような各部門の状況を理解したうえで全体の採算管理を行えば、予算を増やすべき部門が見分けられたり、業務の効率化を進めるべき部門がわかったりと、会社全体の問題解決につながります。

会社全体の採算管理により人材の育成も可能

会社全体の業績管理を採算管理と合わせて行うことで、人材を育成することもできるようになります。たとえば、部門別の採算管理で赤字が出ている部門に、優秀な人材を送って立て直しを図るとしましょう。しかし、そもそも赤字が出るのが必然の部門に行って黒字にするように指示しても、行きたいと思う人材はいないでしょう。

しかし、業績管理と採算管理を両方行っていれば、どの程度の赤字に抑えればその人物を高く評価できるのかを把握できるのです。立て直している側からすれば、どの程度まで赤字を減らせば、黒字にならなくても賞与や昇進が見込めるのかが分かるということになります。これは社員のモチベーションアップにもつながるのです。こうした点を考慮すると採算管理には会社全体の業績管理が必要不可欠であることがわかるでしょう。

まとめ

全社員が採算管理を把握できるツール構築が必要。

各部門の採算管理、会社全体の業績管理を行うことが組織の活性化や人材育成に非常に有効であることは明白です。そして、こうした採算管理や業績管理の効果を十分に得たいのであれば、採算管理の結果を社員全員が共有できるシステムの構築が必要です。それによって、全社員が同じ方向を向いて利益意識を高めていくことができるからです。全社員が採算管理を把握・共有できるツールの開発・構築に力を注ぐことにより、会社全体の業績アップを図りましょう。