プロジェクトの納期遅延が起きるのにはさまざまな原因があります。その原因に対策を講じていないにも関わらず叱責しても、おそらくいつかまた納期遅延が起きてしまうでしょう。納期遅延を防ぐには、問題点を見つけ適切な対策をする必要があります。今回はプロジェクト納期が間に合わなくなってしまう原因と、納期遅延を防ぐために気をつけたいポイントを解説します。
管理しているのにプロジェクト納期が間に合わない原因
管理していたはずなのに、プロジェクト納期が間に合わないということは珍しいことではありません。日々どこかで納期遅延をしないために、ハードワークを強いられている人がいます。遅延しないようにしているはずなのに、どうしてプロジェクト納期に間に合わないという事態が起きてしまうのでしょうか。
プロジェクトの進捗情報の共有不足
チームを組んでプロジェクトに取り組むとき、そのメンバー間での情報共有ができておらず、「~だろう」「~はず」の推測で業務を進めた結果、遅延を招いてしまうことがあります。スケジュールより遅れていることで叱責を受けたくないと進捗情報を隠してしまい、遅延が起きることもあります。正確な進捗情報を共有するためには、頻繁に状況の確認を行うのはもちろん、日頃からコミュニケーションの取りやすいチーム作りを心がけなければいけません。
人員配置に致命的なミスがある
プロジェクトを進めるうえで、適材適所の人材配置ができていなければ、いくらスケジュールがしっかりしていても思うように業務が進まず、納期が間に合わないという事態を引き起こします。人材を確保したら、人員配置を行う前に一人ひとりがどの程度の技術力を持っているか正確に把握することも納期遅延を防ぐために必要です。
曖昧な案件と案件に対する理解力不足
いざプロジェクトがスタートしたからといって、プロジェクト内容が曖昧であれば要求されているものを作り上げることはできません。プロジェクトの仕様書は、まずプロジェクトがスタートする前に関わるメンバー全員が理解できるような内容に仕上がっていなければ、納期が間に合わない原因になります。また案件自体の内容はしっかりしていても、誰か1人が理解していないだけで間違った方向に進んでしまい、それを修正するために納期遅延が起きてしまうのです。まずは案件内容を明確にし、全員がプロジェクト完成に向けた共通認識を持たなければいけません。
無謀な納期を受け入れてしまう
クライアントや上司から無謀な納期を投げられてしまうことは、プロジェクトに携わったことがある人なら経験があるのではないでしょうか。特に発注者がその案件にどれだけの技術や業務量が必要なのか把握していない場合、絶対に無理な納期を強いてくることはあります。明らかに無理だとわかっているにも関わらず、その納期を受け入れてしまうと確実に納期遅延が起きます。また無理矢理受け入れてしまった結果、どこかにミスが生じてしまい、結果的に余計な時間がかかってしまうこともあるのです。残業を前提としたスケジュールで納期を組んだ場合も、大抵納期が間に合わなくなってしまいます。
プロジェクトの納期遅延を防ぐためのポイント
プロジェクトの納期遅延は信用にも関わります。絶対にプロジェクト納期遅延をしないためにはどのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。
プロジェクトメンバー間・顧客との密なコミュニケーション
進捗情報を含め、プロジェクトに関するあらゆる情報はプロジェクトメンバー間や顧客との間で共有しましょう。コミュニケーションをしっかり取ることで、万が一ミスや理解不足があったとしても早めに問題点を見つけて修正することができます。もしコミュニケーションを取る基盤ができていないのであれば、まずはその基盤を作ることがプロジェクトの成功には欠かせません。ミスも許されないような雰囲気になっていると、信頼関係を築くことができず、結果として嘘の報告をしてしまうなど納期遅延につながることが起きてしまいます。
メンバー間の進捗報告の仕方を具体化させる
進捗情報をパーセンテージで報告させるのではなく、具体的な数字などで報告してもらうようにしましょう。パーセンテージの感覚には個人差があるので認識のズレが起こり、後々遅延につながる問題が起きてしまいかねません。パーセンテージを使うのであれば、具体的に進捗率の数字を定義化させるルールを作りましょう。
遅延を見越して余裕を持ったスケジュールを作る
プロジェクトを進めていると、何かしらのトラブルが起きてしまうのは当然のことです。それにもかかわらず、トラブルがない前提でスケジュールを作っていれば、1つトラブルが起きただけで納期に間に合わなくなってしまいます。そうなってしまうとメンバーの心理状態も悪くなってしまい、それが原因でさらなるトラブルを引き起こしてしまう可能性すらあるのです。 元々ゆとりのあるスケジュールを組んでいれば、何かがあっても落ち着いて作業することができます。プロジェクトスケジュールを組むときは、スムーズに進んだとして必要とされる日数プラスアルファの納期を作成しましょう。
プロジェクトを管理できる専門ツールを導入する
プロジェクト管理を行う際に、EXCELを使用しているケースも多いかもしれません。もちろんEXCELでの管理が悪いというわけではありませんが、EXCELでのプロジェクト管理には限界があり、特に複雑化しているプロジェクトを進めるうえでは見落としやミスも起きかねません。 プロジェクトを管理できる専門のツールを導入すれば、プロジェクトを明確に可視化することができます。最近はクラウド形式のプロジェクト管理ツールも増えており、これを導入すれば進捗情報も明確な数字となって共有することができるというメリットもあります。EXCELで管理を行なっているにも関わらず、納期遅延が頻発しているというのであれば、プロジェクト管理の専門ツールの導入を検討してみるのも有効な対策のひとつです。
原因を知ることで対策を講じられる
今回解説したプロジェクト納期が間に合わない原因や遅延を防ぐためのポイントを自社の環境に当てはめてみれば、それぞれの問題点が浮き彫りにできます。納期遅延を起こしてしまう原因はほかにもさまざまな要因が考えられますが、原因を知ることは対策するうえで必要不可欠です。 まずはチームの問題点を洗い出し、納期遅延を起こさないための対策を講じていきましょう。