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当初計画から大幅な見直しが入った場合の管理方法

プロジェクトを進めているとさまざまな問題が発生します。
問題が発生した際にとるべき行動が、プロジェクトの見直しと変更です。
ですが、この2つの行動をとった際にはプロジェクト管理を徹底しなければ、煩雑になってしまいます。

今回はプロジェクトにおける変更とそれに対する適切な管理方法を紹介します。

プロジェクトの計画変更対応には目指す2つの指標を理解しておく

プロジェクトには、
*目的
*目標
という2つの目指す指標があります。
目的とはプロジェクトが最終的に着地する地点、目標とは目的にたどり着くために通過する中継点です。そのため、目的はプロジェクトチーム全員で向かうべき地点であり、目標とはプロジェクトチームのメンバー個々の指標ともいえます。

プロジェクトにおいては、スケジュール進行の遅延をはじめさまざまな予期せぬトラブルが発生します。これらのトラブルによって、予定していた最終的な目的地点にたどり着けないとなった場合に、目標設定を見直して変更をしていく必要があります。

変更する目標は具体的にする

目標を変更する際は、
*目標を変更する理由
*新たな目標達成のためのプロセス
*目標変更によって発生する影響
*新たな目標の具体的な指標値
*プロジェクト全体で評価を共有する仕組みづくり
という点を念頭に置きましょう。これらはプロジェクトを管理するマネージャーだけで完結するのではなく、チーム全体で共有し、考える必要があります。

目標の再設定はプロジェクトの体制に合わせる

プロジェクトの体制として挙げられるのが、
*ウォーターフォール型
*アジャイル型
の2つです。両者はプロジェクトの進め方に違いがあり、それぞれに適した目標の再設定があります。

ウォーターフォール型は大幅な目標変更が必要になる

ウォーターフォール型のプロジェクト体制は、「滝」を意味する名前のとおり、上流から下流へと業務工程が進んでいきます。基本計画が最初に立案され、上流から各工程を経て最終的に完成~テストとなるため、どこかの工程で目標の変更が発生した場合、それ以降の全工程での目標変更が求められます。

アジャイル型は変化に対応しやすい体制

ウォーターフォール型のプロジェクトと異なり、アジャイル型は短期間で制作~完成を繰り返し、最終的に理想の形にするという体制です。そのため、あらかじめ修正・変更することを織り込み済みの体制のため、目標変更に対しても柔軟に対応できる体制です。

CCBを設けるのも効果的

プロジェクトにおける目標変更に柔軟に対応していくには、CCB(Change Control Board)を設けるのも効果的です。
CCBとは変更を管理するチームです。プロジェクトの変更に対して適切な判断を下し、変更内容を精査、承認もしくは棄却することが目的です。

CCBはプロジェクトに対して第三者的な視点をもち、分析していくことが大切です。

プロジェクトマネージャーからは独立する

CCBはプロジェクトマネージャーから独立する必要があります。 プロジェクトマネージャーはクライアントとの接点が多くあり、顧客から追加の要求を受けるケースも多くあります。そのため、プロジェクトマネージャーに目標変更を一任してしまうと、無理な目標変更につながってしまいます。

目標設定は、プロジェクトを円滑に進めるために行われます。そのため、無理な目標変更をしてしまっては、状況がより悪化してしまいます。

このような結果につなげないためにも、CCBはプロジェクトマネージャーから独立して、適正な目標の再設定を行いましょう。

プロジェクトの変更は専用ツールの活用でよりスムーズに

プロジェクトを進めていくうえでは、エクセルをはじめとしたツールでの管理が必要です。 そのため、プロジェクトの目標で変更が発生した場合、ツールに落とし込んだチャートまで変更する必要があります。

この際、エクセルでプロジェクト管理を行っていると、変更が起きるたびにデータを上書きしていく必要があります。つまり、以前の目標がどのように設定されていたかがわからなくなってしまいます。

一方、専用のツールを用いれば、上書きの必要がなく、
*初版
*第二版
*第三版
といったように目標がどう変更されてきたかがわかります。

目標変更の履歴はその後のプロジェクト管理のナレッジになる

目標が変更された場合、その履歴は後のプロジェクト管理のナレッジとなります。 変更箇所がわかることで、どの工程で遅延が発生したか、その理由が属人化なのかどうかといった点を洗い出せ、次のプロジェクトに活かせます。

まとめ

プロジェクトの目標設定の変更は目的達成のために必要。

プロジェクトにおいて、当初たてた目標を変更することに躊躇する人もいます。ですが、プロジェクトの最終的な到達点は目的の達成にあります。そのための目標変更は、プロジェクト全体を最適化する有意義な作業です。
プロジェクトが達成できるかどうかを冷静に判断して、的確な目標設定変更を行いましょう。